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相続放棄で「絶対にしてはいけない」こと

相続放棄で「絶対にしてはいけないこと」は?

「相続放棄」で絶対にしてはいけないことについて、鹿児島あおぞら法律事務所の弁護士がまとめました。

 

相続放棄とは?

 

 

相続放棄とは「相続しないことを確定させる相続人の意思表示」です。
相続放棄をすれば、亡くなった方(被相続人)の相続財産すべてを引き継がないという効果が生じます。

 

 

では、なぜ相続放棄をする必要があるのでしょうか?

 

例えば、被相続人に多額の負債がある場合、相続してしまうと相続人が負債を支払わなければいけません。
そこで、相続を望まない人は相続放棄をすることで、はじめから相続人にならなかったものとみなされ、負債を相続しなくて済みます。
他方で、相続放棄により、負債(借金)だけではなく、資産(預貯金や不動産などプラスの財産)も相続できなくなります。

 

 

以下、相続放棄をする人が絶対にしてはいけないことを説明します。

 

 

 

1 資産のことを考えずに相続放棄してはいけない

 

相続を放棄する場合、負債(借金)だけではなく、資産(預貯金や不動産などプラスの財産)も引き継げなくなります。
そうすると、負債が数百万円あるけども、負債額を上回る数千万円の不動産があるような場合、相続放棄をしてしまうと、トータルでプラスだった相続財産をみすみす捨てることになります。
そこで、相続放棄をする場合は、可能な限り資産と負債の内容、金額を調べて、負債が資産を上回るかどうかを慎重に検討しましょう。

 

以上のように、資産のことを考えずに相続放棄してはいけません。

 

また、仮に資産が負債を上回るとしても、「資産をすぐにお金に変えることが難しい」、「負債について対応したくない」等の場合は、相続放棄をしてもよいでしょう。

 

 

資産と負債のどちらが多いかわからない場合は、その調査のため、家庭裁判所で相続放棄の期間制限(3ヶ月)を伸長してもらうことができます(熟慮期間の伸長)。

 

 

2 相続放棄の前に相続財産を処分してはいけない

 

相続財産を一部でも「処分」してしまうと、相続を認めた(単純承認)のと同じことになります(法定単純承認)。
相続財産を「処分」するということは、自分のものとして扱うのと同じなので、相続を認めたと言われても仕方がないからです。

 

相続財産の「処分」をすると、相続を認めたことが「確定」するので、その後に相続放棄をすることはできません。

 

したがって、相続放棄したい人は、相続放棄の前に相続財産を処分してはいけません。

 

 

ここでいう「処分」とは、相続財産を売却や破損したり、相続財産である預貯金を使うことなどです。

 

この点に関連して、相続財産である預貯金から葬儀費用を支出した場合、「処分」にあたらないとした高等裁判所の判決があります。
とはいえ、最高裁の判断はないため、このような支出は控えたほうが無難でしょう。

 

これに対して、被相続人の負債を、相続人が「自分の財産で」支払うことは、処分には当たりません。
相続財産を使ったわけではないからです。
ただ、保証人でない限り支払い義務はありませんので、あえてそのようなことをするメリットはないでしょう。

 

 

ところで、これまでの話は、相続放棄「」に相続財産を処分した場合でした。

 

では、相続放棄「」に相続財産を「処分」した場合はどうでしょうか?

 

相続放棄は、相続しないことが放棄の申述受理の時点で確定するので、相続放棄の後に処分をしたからといっても法定単純承認にはあたらず、相続放棄の効果は消えません。
ただし、処分できる権利がないのに処分したことになるため、別の相続人や債権者から責任追及を受ける可能性があります。

 

したがって、相続放棄後も相続財産の「処分」はすべきではないでしょう。

 

他方で、相続放棄「後」に相続財産を「隠匿」や「消費」した場合、処分よりも悪質性が高いので、法定単純承認となり相続放棄が認められません。

 

したがって、相続財産の処分と同様、隠匿や消費もすべきではないでしょう。

 

 

3 相続放棄の期間制限を忘れてはいけない

 

被相続人が亡くなり、自身が相続人になったことを知ってから3ヶ月以内に、相続放棄をする必要があります。
これを「熟慮期間」といいます。
3ヶ月を過ぎると、相続を承認した(自分が相続人になることを認めた)という扱いになります(法定単純承認)。
なぜなら、いつまでも相続放棄するかどうか決まらないと、他の相続人や債権者などの利害関係者に迷惑だからです。
3ヶ月経過で法定単純承認となり、相続放棄はできなくなります。

 

したがって、相続放棄を希望する人は、期間制限があることを忘れてはいけません。

 

ただし、資産や負債の調査に時間がかかる場合、その調査のため、相続放棄の期間制限(3ヶ月)を伸長してもらうことができます(熟慮期間の伸長)。

 

 

次に、3ヶ月の期間のスタート時点である「自身が相続人になったことを知ってから」の具体例を説明します。

 

まず、被相続人のは、第一順位の相続人ですから、被相続人が亡くなった時点で自動的に相続人になります。
したがって、子は「被相続人が亡くなったことを知った時点から」3ヶ月以内に相続放棄の申し立てが必要です。
他方で、被相続人の親や、兄弟は、それぞれ第二順位、第三順位の相続人です。
例えば、被相続人に子がいない、または子が相続放棄をしてはじめて、第二順位として被相続人の親が相続人になります。
また、被相続人に親もいないまたは親が相続放棄をしてはじめて第三順位として被相続人の兄弟が相続人になります。

 

したがって、被相続人の親や兄弟は、被相続人に子がいる場合、その子が相続放棄をしない限り自分たちは相続人にならないので、被相続人が亡くなった時点では三ヶ月の期間制限はまだスタートしません。
あくまで、「自分が相続人になったことを知ったときから」3ヶ月ということです。

 

なお、配偶者は常に相続人なので、被相続人が亡くなったことを知ってから三ヶ月で相続放棄できなくなります。

 

4 3ヶ月を過ぎても相続放棄をあきらめてはいけない

 

もし相続人であることを知ってから3ヶ月を過ぎてしまっても、場合によっては裁判所が相続放棄を認めてくれます。

 

例えば、3ヶ月経過後、負債があることがその時点で初めてわかった場合、「負債がこんなにあると知っていれば相続放棄をしたのに!」と思いますよね。
この場合に相続放棄を認めなければ、相続人の生活があまりに害されてしまいますし、相続人に落ち度はないはずです。
そこで、最高裁(昭和59年4月27日)は、
3ヶ月を経過したとしても、@相続財産がまったくないと相続人が信じ、A被相続人の生活歴や相続人との交際歴などの事情から、相続人が信じるについて相当な理由があるという条件のもと、相続放棄を認めています。

 

したがって、3ヶ月を過ぎても相続放棄をあきらめてはいけません。

 

 

ところで、この最高裁判決は、プラスの財産が全くないケースでした。
これに対して、「プラスの財産があることはもともと知っていたけれどそれ以上の負債があったことを後から知った」という場合は、まだ最高裁の判断はありません。

 

このような事案の場合、きちんと事実関係を整理して裁判所に納得してもらう必要があるため、可能であれば弁護士に相談されたほうがいいでしょう。

 

 

 

5 一度相続放棄したら撤回してはいけない

 

相続放棄を一度すれば、撤回は許されません。
したがって、慎重に検討する必要があります。
他方で、詐欺や強迫、錯誤で相続放棄をした場合は、相続放棄の取消しや無効を主張できます。

 

6 まとめ

 

「相続放棄で絶対にしてはいけないこと」について、鹿児島あおぞら法律事務所の弁護士がまとめてみました。

 

相続の問題は、いつ、誰にでも起こりえます。
相続放棄するかどうかはその判断や時期が重要です。
また、してはいけないことが上記のとおりいくつかあります。

 

お困りの方は、鹿児島あおぞら法律事務所の弁護士までご相談ください!

 

 

 

 



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